思うんだけどさぁ。そう前置きして、ゼニス・セレスティアルはからりと蒸留酒に浮かべた丸い氷を指先でつついた。
「酒っつーのは理性を溶かしてくれるだろ? ちょっと前には俺も、そんなんで進むとか、ズルしてるみたいで嫌だわーって思ってたわけ。だって前後不覚のやつに襲われても、それを引っ張ってんのがアタマだかカラダだかわかんねーし。でもさ、進んじまった今なら思うわけよ。どろどろに理性をなくした本能のかたまりみたいに盛る姿も、それはそれで見てみたいって! もちろん、そんなの嫌だって泣いて嫌がって理性で来るならそれもよし。お前はどう思う?」
手をひらりと振った向かい側で、背の高い影は机に伏せた。
「どうしてそれを、僕に言うの……」
あっけらかんと手の内を明かしたゼニスは、顔を赤くして丸くなるレイニーの頭をがしがしと撫でた。かん、と音を立てて置かれるグラスには、彼がとびきり好みそうな甘ったるい果実酒が一杯、注がれている。
ニタァ、と音を立てるようにして、目を細め、大きな口でゼニスは笑う。
「何にしたって、お前に選ばれることが一番気持ちいいから、だな!」
